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 あることが世間でブームになると、それに反比例するかのように熱が冷めてしまう・・・なんでですかね。そんなあまのじゃくな理由で2年くらい前からあまりクランクベイトは作らなくなりました。と、言いながら左の写真。けっこうたくさん作っています。また作り始めたのです。
 きっかけはジャッカルとIMAKATSUのHP。それぞれ興味深いことが書かれていました。  
 ジャッカルのHPでは「速く巻けるルアーはいいルアーだ」という内容の記事を見つけました。しかもケビン・バン・ダムの発言。こりゃ困った。どうかしてかというと、私はこれまで意図的にバランスを悪くして、ゆっくりチンタラ引いても左右に千鳥泳ぎするように作ってきたからです(写真・左)。だってだってみんな千鳥は釣れるって言ってたじゃないかぁぁ。今さらズルイよ。実際釣れてはいるけれど、早巻き対応がいいというのであれば、そうしましょう。テーマ@:「早巻き対応」
 そのためにはどうしたらいいか。バランスよく作ればOK。あまり興味をそそられないのでこれで終わり。
Sherylminnow

 IMAKATSUのサイトでは「硬いもの(ハードルアー)が柔らかく動く」とありました。これがテーマAです。興味沸いてきました。  「硬いルアーが柔らかく動く」とはどういうことか。イマカツのサイトでは指2本でエンピツを柔らかく振って、ぐにゃぐにゃ曲がっているように見える目の錯覚を例に挙げ、それを「エンピツ理論」と呼んでいました。
 では早速エンピツを振ってみます。おー、わかってはいるけれど柔らかい。ぐにゃぐにゃだ。ユリゲラーだ。錯覚ってすごーい。この動きをルアーに反映させればいいのですね。  

 反映させるには・・・うーん、まったくわからん。どうしたらいいのですか。エンピツの動源は2本の指。これを直線的なリトリーブやリップ、水の抵抗で再現しなければなりません。うーん、やっぱりわからない。

 ここで見方を変えます。あ、そうか、となります。すでに柔らかい動きのハードルアーがあるじゃないですか。バナナベイトです。投げにくいのでしばらく使っていませんでしたが、とりあえずお風呂で泳がせて見ます。おー、わかってはいるけれど柔らかい。エンピツとは異なる感じもしますが確かに柔らかい。  

 じっくり観察してみると、視覚的な柔らかさを生む要素というものが解ってきました。
 まず、バナナは基本的にローリングアクションです。この点でウォブル(といっていいのかわからないけれど)のエンピツとは異なりますが、そのまま話を続けます。バナナベイトのロールの軸は(図A-1)の赤線辺りにしておきましょう。

 それを上から見ると(図A-2)となり、これはなんだか柔らかい気がします。それに対して(図A-3)は硬い。これは中心に軸のあるウォブリングアクションの模式図です。  

   一方は柔らかくもう一方は硬い。この違いはどこから来るのか。
 視覚的な柔らかさに関する違いは、ロールとかウォブルの次元ではなく、「く」の字の山の頂点、つまり図における赤矢印の部分が、1点にとどまるか、ぶれるかの違いだと思います。ぶれているほうが柔らかく見えます。ぶれてさえいれば、ロールでもウォブルでも構いません。  
  これをふまえてもう一度エンピツをフリフリしてみます。ほら、山の頂点がぶれてるじゃないですか。
 ハードルアーでこの山の頂点のブレを再現しようとした場合、やはりバナナベイトのような形状のルアーをロールさせることが思いつきます。それからボディ全体が左右にワープするようにぶれながらウォブルする・・・という動きも妄想しましたが今のところ妄想の域を出ません。前者でいきましょう。

Sherylminnow

 それでは製作に取り掛かります。こちら。写真左のようなバナナベイトを模したクランクベイト。アクションは完全に横倒しになるくらい大きなローリングでなければ、コンセプト上意味がありません。低重心、後方にもウェイトを入れる、などして大きなローリングを目指します。そしてロールに対し効果的な名減が得られるカラーリングをシュシュッとして完成。動かします。うん、柔らか。いいと思う。早巻きにも対応しているし、いいと思う。やはりこのコンセプトにおいては、大きなアクションの方が魅力的です。  

 いろいろ作っているうちにふと思います。バナナベイトのボディは通常は上に凸のカーブを描きます。そのせいで迷いなく上に凸のクランクベイトを作りましたが、下に凸つまり上反りのクランクはどうなるのでしょう。もしかしたらもの凄く魅力的なものができるかもしれません。早速作ります。はいできました(写真左)。動かします・・・あれ? 硬い。めちゃめちゃ硬い。
 しかし力強い動きでもあります。水とケンカして、なかなか動かず、あるところから突然ガツンと動き出す感じです。

 なぜ上反りのリップベイトは動きにくいのか。ちょっと考えたら実に簡単なことで、何をいまさらというレベルです。
 左の図Cは、2種のミノーの模式図です。重心はフックを含めて当然低い位置にあります。重いところは動きにくいため、ロールの軸は赤線@、赤線Aになるとしましょう。するとロールに関して一番よく動く部位は、背中ということになります。Aはその背中が大きく、いかにも水の抵抗を強く受けそうに見せます。要するにそういうことです。テールが太ければウォブルしにくいのと同じように、背中が大きくてロールしにくいわけです。単純でしょ。
 じゃあ、上反りのルアーは必要ないのかというと、そうではありません。「なかなか動かず、あるところから突然ガツンと動き出す」という特性が生きるルアー、そうです、ジャークベイト。サラサラと水を流すのではなく、水をガツガツ動かすタイプのジャークベイトにはもってこいです。
 市販のルアーはタダ巻きを基本に作られているものが多いので上凸のハンプバックタイプ(写真・上)が多くなります。溺愛のタイドミノースリム。
 それに対してワンテン(写真・下)。初めてワンテンを使ったとき、カクカクした動きだなー動きにくいなーと思ったのですが、カクカクして動きにくい原因は、たぶん角ばった断面のボディと上反りのテール。そしてそれを生かすのであれば、ジャークしなさいということなんですね。たぶん。でも疲れるんですよね、ワンテンのジャークって。
 いつの間にか話がズレました。この辺でさようなら。

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