自律神経とホルモン
1自律神経
 @交感神経・・・興奮時に働く
 A副交感神経・・・安静時に働く
2血糖量の調節

 人の血糖値は約100mg/dlに保たれている。この値より低くなれば低血糖、高くなれば高血糖となる。

@低血糖時

(1).間脳視床下部が低血糖を感知し、脊髄から出ている交感神経を刺激する。交感神経は副腎髄質からのアドレナリンの分泌を促進させる。アドレナリンは肝臓にたくわえられているグリコーゲンをブドウ糖に分解する。

(2).間脳視床下部が低血糖を感知し、副腎皮質刺激ホルモン放出因子を分泌する。これが脳下垂体前葉に働き、副腎皮質刺激ホルモンが分泌され、副腎皮質から糖質コルチコイドが分泌される。糖質コルチコイドはタンパク質を分解してアミノ酸にし、ブドウ糖をつくるのでタンパク異化ホルモンとよばれている。

(3).すい臓自身が低血糖を感知し、すい臓のランゲルハンス島のα細胞からグルカゴンを分泌する。グルカゴンは肝臓にたくわえられているグリコーゲンをブドウ糖に分解する。

このようにして血糖値が正常に戻れば、フィードバック作用により間脳視床下部の興奮がおさまる。

A高血糖時

(1).間脳視床下部が高血糖を感知し、延髄から出ている脳神経の一つ、迷走神経を介してすい臓のランゲルハンス島のβ細胞を刺激してインスリンを分泌させる。インスリンは細胞へのブドウ糖の取り込みを促進させ、酸化分解し、またブドウ糖をグリコーゲンに合成し肝臓へたくわえることで血糖値を下げる。

(2).すい臓自身が高血糖を感知しランゲルハンス島のβ細胞からインスリンを分泌する。

このようにして血糖値が正常に戻ればフィードバック作用により間脳視床下部の興奮がおさまる。

   やってみよう
 
                   答えだよ

浸透圧の調節

@浸透圧が高い時・・・血液中の水分が不足しているのが原因

 間脳視床下部が血液浸透圧の変化を感知し、脳下垂体後葉からバソプレッシン(抗利尿ホルモン又は血圧上昇ホルモンともいう)を神経分泌させ、腎臓の細尿管からの水分の再吸収を促進させる。そして尿量が減少し、体内の水分量が増加する。

 血液の浸透圧が正常にもどれば、フィードバック作用により間脳視床下部の興奮がおさまる。

A浸透圧が低い時

 ・血液中の水分が多いのが原因

 間脳視床下部が血液浸透圧の変化を感知し、脳下垂体後葉からのバソプレッシン分泌を抑制する。腎臓からの水分の再吸収が抑制されるので、尿量が増加し、体内の水分量が減少する。

 ・血液中の無機塩類の減少が原因

 間脳視床下部が血液浸透圧の変化を感知し、脳下垂体前葉に副腎皮質刺激ホルモン放出因子を分泌する。脳下垂体前葉から副腎皮質刺激ホルモンが分泌され、
 副腎から鉱質コルチコイドを分泌し、腎臓の尿細管からのナトリウムイオンの再吸収を促進する。そして血液中の無機塩類の濃度が正常に戻る。

血液の浸透圧が正常に戻れば、フィードバック作用によって間脳視床下部の興奮がおさまる。

その他の脊椎動物の浸透圧調節

@
淡水産硬骨魚(フナ・コイ)
  
淡水産硬骨魚は体液浸透圧が、外液(川や池などの水)より高いので、外から水が入ってくる。
  そこで、えらにある塩類細胞から、能動輸送によって、ナトリウムイオンを吸収し、多量の低張尿を排泄している


A海水産硬骨魚(サンマ・イワシ)
  
海水産硬骨魚は体液浸透圧が、外液(海水)より低いので、絶えず体から水が出て行く。
  そこで、多量の海水を飲み、えらにある塩類細胞から、能動輸送によって、ナトリウムイオンを排泄している。
  そして、等張尿を少量出す。

4甲状腺ホルモンの調節         

甲状腺ホルモン(チロキシン)濃度の低下・・・チロキシンは物質交代(代謝)を促進させるホルモンで、濃度が低下すれば代謝が低下するので、
                             成長や活動が低下する。

       ↓

   間脳視床下部→脳下垂体前葉→甲状腺刺激ホルモン→甲状腺→チロキシン

 ※血液中のチロキシン濃度が正常にもどれば、間脳視床下部の興奮がおさまる。

5体温の調節

 @外が暑い時・・・体温を下げるように働く。

   放熱の促進・・・熱を体外に逃がす。→汗の分泌、皮膚の毛細血管の拡張

   産熱の抑制・・・熱を作るのを止める。→異化(分解反応)を促進するホルモンの分泌抑制

 間脳視床下部→交感神経の興奮→汗腺→汗の分泌→体温の低下

     ↓        ↓

     ↓      皮膚の毛細血管の拡張→放熱の促進

脳下垂体前葉への刺激が抑制され、脳下垂体前葉ホルモン(甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、成長ホルモン)の分泌が抑制される。

 A外が寒い時・・・体温を上げるように働く。

   放熱の抑制・・・熱を逃がさないようにする。→立毛筋の収縮、皮膚の毛細血管の収縮

   産熱の促進・・・熱を作るようにする。→異化(分解反応)を促進するホルモンの分泌

 間脳視床下部→交感神経の興奮→副腎髄質→アドレナリンの分泌

     ↓       ↓                  ↓  

         ↓       立毛筋     (グリコーゲンの分解(分解=異化作用なのでエネルギーが発生し、熱ができる)

     ↓       ↓

     ↓     収縮→毛孔から熱を逃がさないようにする。

  脳下垂体前葉→副腎皮質刺激ホルモン→副腎皮質→糖質コルチコイド

    ↓  ↓                            ↓

    ↓ 成長ホルモン物質代謝の促進  タンパク質(アミノ酸)を分解してブドウ糖を作る

  甲状腺刺激ホルモン→甲状腺→チロキシン物質交代の促進

  また間脳視床下部からの刺激が、副交感神経を通して皮膚の毛細血管を収縮させ、放熱を防ぐ。

無脊椎動物のホルモン(カイコガ)

卵 →1齢幼虫 →2齢幼虫 →3齢幼虫 →4齢幼虫 →5齢幼虫 →さなぎ →成虫

  羽化      脱皮       脱皮       脱皮      脱皮      脱皮・変態    脱皮・変態   

幼虫の頭部にあるアラタ体からアラタ体ホルモン(幼若ホルモン)が分泌され、変態を抑制する。また胸部にある前胸腺から前胸腺ホルモン(エクジソン)が分泌され、変態と脱皮を促進する。

1齢幼虫〜4齢幼虫までは、幼若ホルモンエクジソンの両方が分泌される。
5齢幼虫〜さなぎまではエクジソンのみの分泌になる。

7植物のホルモン

 @成長ホルモン

  ・オーキシン・・・天然成分:インドール酢酸

    根や茎の先端で作られて、成長点に作用する。

    光があたると反対側に偏り、偏った側が成長するので光の方向に屈曲する。

    水溶性で、重力の影響を受け、先端から基部の方向に移動する。

  ・ジベレリン・・・稲のバカ苗病菌から抽出され、稲の徒長の原因となる。

    ※成長ホルモンであるが、イネ科植物の糊粉層(ぬか)に働いてアミラーゼを作る。

  ・サイトカイニン(カイネチン)・・・細胞分裂を促進する。

  ・アブシシン酸・・・落葉の促進や種子の休眠(発芽の抑制)、気孔を閉じたりする。

  ・エチレン・・・果実の成熟を促進する。

 A花芽(つぼみ)の形成

 ・花成ホルモン(フロリゲン)・・・葉にあるフィトクロムという色素タンパク質が日長時間を感知して、花成ホルモン(フロリゲン)を合成する。このホルモンは茎の師管を通って芽に運ばれ、花芽を形成するが、実際には日長時間ではなく、暗期(夜の長さ)を感知している。

 ・暗期の長さが、限界暗期より長くなると花芽を形成する植物を短日植物、短くなると花芽を形成する植物を長日植物という。また暗期の長さに関係なく花芽を形成する植物を中性植物という。

      短日植物・・・キク、アサガオ、オナモミ、タバコ、ダイズ、イネ、コスモス

      長日植物・・・アブラナ、ダイコン、ホウレンソウ、コムギ

      中性植物・・・トマト、トウモロコシ、セイヨウタンポポ、ソバ

8血液・・・体重の13分の1の量

1細胞成分

細胞成分 核の有無 数:個/mu 造られる場所 破壊場所 働き
赤血球 男:500万
女:450万
骨髄 肝臓・脾臓 酸素の運搬
白血球 6000〜9000 骨髄・リンパ節 脾臓 食作用・免疫に関与
血小板 約30万 骨髄 脾臓 止血

2液体成分
血しょう・・・浸透圧の調節、老廃物の運搬、熱・抗体・ホルモン・ビタミンなどの運搬
血液の循環

(1)体循環(大循環)
   左心室 → 大動脈 → 全身の組織 → 大静脈 → 右心房
                   (ガス交換)
(2)肺循環(小循環)
   右心室 → 肺動脈 →  → 肺静脈 → 左心房
                (ガス交換)
※心臓から出て行く血管・・・動脈
  心臓に戻ってくる血管・・・静脈

☆肺動脈は動脈血管であるが静脈血がながれており、肺静脈は静脈血管であるが動脈血がながれている。


9免疫・・・体内に侵入した異物(抗原)を排除し記憶する機能である。
(1)免疫に関与している細胞
 白血球
  リンパ球
   @B細胞(Bリンパ球)・・・抗原に対する抗体(抗原を攻撃するタンパク質でできた武器)を産生
   AT細胞(Tリンパ球)
     ヘルパーT細胞・・・B細胞に抗体を作らせる
     サプレッサーT細胞・・・B細胞への抗体産生を抑制
     キラーT細胞・・・ウィルス感染細胞やガン細胞に直接結合し、殺す
(2)体液性免疫(B細胞が関与)
  抗原侵入 → マクロファージによる食作用 → ヘルパーT細胞に抗原情報を提示 → B細胞を刺激し抗体産生を促進
 → B細胞が抗体産生細胞(形質細胞)に成熟(一部は記憶細胞となる) → 抗原抗体反応(抗原の破壊)
(3)細胞性免疫(T細胞が関与)
  ウィルスの細胞内感染 → ヘルパーT細胞が抗原提示 → キラーT細胞が感染細胞に直接結合し細胞膜に孔をあけ破壊
(4)免疫反応が過剰に起こった場合
 @アレルギー・・・花粉症・じんましん・気管支喘息(体液性免疫の過剰反応による)
            ツベルクリン反応(細胞性免疫が関与)
 A自己免疫疾患・・・関節リウマチ、バセドウ病、糖尿病など

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