| 手持ちで攻めて釣った!石鯛63.5センチ! 七類―島後直行渡船利用の隠岐遠征 とにかく釣れないことで有名なイシダイ釣り。投げ釣りの合間にこの釣りを始めてもう10年近く経つ。 伊豆諸島や南西諸島などへ遠征もしたがその割りに釣果は散々たるものであった。 やはりド素人の釣りには限界がありそうだ。 そこで上達にはやはりその世界の「超一流」と言われる人と一緒に行くのが近道と、 この夏からチームダイワ石鯛の関西ブロックリーダーである貝洲譲二氏の指導を受けている。 隠岐ふたまた丸の常連で互いに顔見知りではあったが、ご一緒する機会がなくぜひ一度とかねがね思っていたところ、 滋賀投友会片岡会長の計らいで実現することになった。 貝洲氏は投げ釣りマンとしても超一流であり、全日本サーフ連盟のカンダイ日本記録保持者でもある。 大阪協会の名門クラブに長年在籍されていたが現在は退会され底物一本でおられる。 大変気さくなお人柄に私も気軽に厚かましくいろいろ質問しまくっており、勉強させていただこうと思っている。 また、このイシダイ釣りで学んだ事は投げ釣りのいろんな局面で生かせることができるものと感じている。 今回は11月23日〜25日の3連休に隠岐島後に遠征することにした。 隠岐となると通常は貝洲氏の「庭」である海士に行くのだが、今回は私のわがままで島後に行くことになったわけだ。 (ふたまた丸さんごめんなさい) ところで皆さん、七類から島後直行のチャーター渡船があるのをご存知ですか? 「どうもあるらしいのは聞いているけど…よくわからない」って方が多いみたいなので この場で紹介しておきます。 「第十海友丸」。西郷港のながみ釣り具店の店主永見千暁さんが船長だ。 大変、人柄の良い船長で約2年前から渡船業を始められたと伺っている。 船はなんと全長19メートル!の大型高速船で島後まで約2時間で疾走する。 夏場には午前3時に七類港を出港し、6時には島の北端の中村周辺に到着しているという便利モンだ。 この渡船の就航でこれまである程度の日数がないと攻めることができなかった島後の磯投げ場の開拓が可能となるわけだ。 島後の磯は西郷近辺を除いてまだ、投げ竿が入ったことのないところが殆どだと思う。 私は密かにこの第十海友丸に何度も通いイシダイ釣りの傍らマダイの磯投げができそうな磯が もういくつかリストアップできている。 例えば…島の南から鷹取崎周辺・鵜図の鼻・中村の白島の東向き一帯・海苔田鼻・布施の小黒島の長島向きなど… 足元はイシダイの釣れる岩礁でも沖は砂地ってところも多い。少々潮が速くで根がかりもあったりするが、 そこそこのベテランならなんとか釣りになるはずだ。私が通っていた中村の「さき丸」の牧田船長(故人)に言わせると 120センチのマダイが島後中村周辺には絶対にいるとのこと。 ご存知のとおり外洋のマダイは釣れたらデカイのが特徴で開拓が進んでいる島前とは違ってまだまだ開拓の余地十分だ。 あと、磯では夜釣りとなるが身エサでアコウの超大型が狙えるのも特徴だ。太平洋側と違ってウツボがいない。 (アナゴはいますが)イシダイ釣りの外道で60センチ近いアコウも釣れておりアコウやカンダイの日本記録が出る可能性は 十分にあるのではないだろうか?うまくいけばクエが釣れるかもしれない。 さて、11月22日夜11時に大阪は茨木の貝洲氏が経営される会社で待ち合わせし、いざ出発。 途中、数回のタバコ休憩(私は非喫煙者ですが貝洲氏は重度のニコチン中毒者のため。)を経て七類には3時過ぎに到着。 第十海友丸が着岸しているところに行くともう数人が荷物を積み込む用意をしている。 冬季なので船は5時に出航となった。少し波がありるがそこは快適な大型船。 後ろの船室でいつしか熟睡してしまい、目が覚めたらもう島後の奥津戸周辺を走っていた。 順番に釣り人を降ろしていく。当初は好調が伝えられている西側の磯に行きたかったのであるがあいにくの強風で断念、 南側の鷹取崎周辺の磯に渡礁することにした。貝洲氏によると最近ここで氏の知人が65センチを釣り上げたとのことで よしやるぞとやる気満々で竿を出したのだが、ここで大変なポカをやってしまった。 サザエを入れたスカリを磯からロープで吊るしていたのだが、波でロープが解けてしまい、 スカリは海底に…釣り開始早々にエサ5キロ(10000円相当:この日はサザエが品薄で急騰しキロ2000円だった)を流失。 呆然としてしまう。急いで携帯電話で船長に電話し、迎えに来てもらうが今度は着岸時に船首のタイヤで 高価なチタン製のピトン足(約20000円相当)がグニャリとへし曲げられてしまい、またやる気をなくす私。 初日から踏んだりけったりである。 こんなアクシデントが続く日はこれまでの経験から丸ボーズか、思い切り大きな奴が釣れるかのどちらかだ。 イシダイ釣りやからたぶんボーズやろうな…とつぶやきながら迎えにきた第十海友丸に乗って西郷港の漁協直営の物産店 「りょうば」にサザエを買いに行った私。「りょうば」で値段を聞くとキロ1050円だったので これはラッキーと明日の分も含めあるだけのサザエ(20キロ)を買って再び釣り場に戻る。 貝洲氏によると時々サンバソウのようなアタリがあるので気配はありそうだとのこと。 私も2本の竿で遠近を探ってみる。この釣り場はカウンター40前後で砂地となり 水深は12メートル前後で投げ釣りもできそうだ。 この砂地と岩場の境目付近を重点的に探ることにする。しかし、貝洲氏は砂地も攻めろと言う。 貝洲氏によるとイシダイは岩礁帯に住む魚だが、砂地も好んで回遊するとのこと。 砂地のカケアガリや窪みを探してえさを置くようにとのアドバイスをくれる。 事実、貝洲氏はこれまで隠岐の島前水道で底が全く砂地のポイントで大型イシダイを狙って何匹も釣っているのだ。 アドバイスは的中し、カウンタ51の完全砂地で私の鬼丸がイシダイのアタリを捕らえた。 力強い前アタリで時々竿先を50センチ以上引き込みハラハラさせたが、 型が小さかったのかそれ以上の引き込みはなかった。 夕方5時の納竿まで粘ったが二人ともボーズで初日を終了した。 2日目は布施の大黒に二人で渡礁した。ここは以前、貝洲氏が超大型のアタリに遭遇したポイントで 大型の期待十分とのこと。 さっそく竿出しをするが、ほんの30分もたたないうちに貝洲氏が竿を手持ちで臨戦態勢に入っている。 イシダイの前アタリがあったようだ。真剣なまなざしで微動だにせず、構える貝洲氏の穂先が少し入ったかに見えたと 同時にビシッと合わせが決まった。貝洲氏愛用のイシダイキング540Mが胴から曲がっている。 この竿は貝洲氏の師匠であるイシダイ釣りの名手:木村俊一氏が開発された竿で和竿の調子を再現した 見事な仕上がりとなっているそうである。他メーカーの竿ならガクンと竿が入って終わり・・の時でも イシダイキングなら綺麗に舞い込む事が多いという大変食い込みの良い竿で、そして同時にパワーも兼ね備えており、 南方のクチジロもねじ伏せることができるという。「和竿を使いこなしている人が開発しているからエエ仕上がりになるんや。 はよ君も買いなさい」といつも言われ私も今、貝洲氏を介して1本予約を入れている。 私も今回は貝洲氏の持っているイシダイキング500Mを拝借しての隠岐入りである。 見ていて気持ちいい程、素晴らしい曲がりを見せるイシダイキング…やがて水面に綺麗なオスのイシダイが姿を現した。 最後の抵抗をかわした後、一気に抜き上げた貝洲氏。口が黒く、縞々模様が消えたいわゆる 「銀ワサ」と呼ばれるやつである。 50センチを超えるエエ型だ。満面に笑みを浮かべる貝洲氏。よし、次は私の番だと気合が入る。 が…私の仕掛けにはエサトリすら触りにこないのだ…そして貝洲氏の竿に磯にベタッとへばりつかんばかり大きなアタリ。 これは70センチオーバーのデカバンや!と期待したのだが、アタリの割りにすんなり上がってきたのは 80センチ近いカンダイであった。 苦笑いする貝洲氏に「さすがはカンダイの日本記録保持者でんなー」と返す私。その後も貝洲氏の竿には 頻繁にアタリがあるようだ。 どうも私と貝洲氏の釣り座は水深がかなり違うようで私がカウンタで18位しか入らないのに対し 貝洲氏は26〜28も入るという。 「木下君こっちへ来たらどうや」と貝洲氏のお言葉に甘えさせていただき、 即釣座を貝洲氏の真横に変更することにしたがこれが大正解。 一投目からゴンゴンとアタリがあるのだ。あきらかに魚の活性が違う。 どうも貝洲氏と私が竿を出しているところが海溝になっているようで周りよりも深くなっているため魚の寄りがよいようだ。 「食いが渋いのでアタリが出たら手持ちに替えるように」との指示がでる。 二投目でもゴンゴンと力強く来たので思い切って手持ちにする。 貝洲氏から「魚が走ると引き込みが来るのでその瞬間に合わせるんやで」とまたアドバイスをいただくが、 素バリを引いてしまったらどうしようと心臓がバクバク鳴ってきた。イシダイ釣りで素バリやバラシをしてしまうと その日はもう絶対に食わないと聞いていたので責任重大である。なのに「頼むから素バリは引かんといてや〜」と プレッシャーをかける貝洲氏…・せやけど師匠…それはあんまりでっせ!と心の中で呟く私だがついに決断の時が来た。 手持ちの竿先から一気にギューンときたのだ。無我夢中の私は条件反射のように合わせを入れていたようで 竿が満月に曲がっている。 「よっしゃ乗ったで!」リールを巻く手に力が入る。この引きは間違いなくイシダイである。 まずまずの型であるはずだ。水深があるためなかなか姿を見せないが竿の弾力で魚が徐々に浮いてくるのがわかる。 これがイシダイキングという竿かと妙に納得しながらリールを巻く私の目に良型のイシダイの姿が飛び込んできた! 50センチオーバーだ。 久々のシマシマに小躍りしてしまう私。ハリがガッチリとカンヌキに刺さっている。これではもう逃げることはできまい。 そしてしばらくして…またもや私の竿にアタリ!信じられない!これもすぐさま手持ちにして身構える、 今度は1匹釣っている余裕がある。さあこい!…・・沈黙が流れる…ギューン!バシッ!また合わせが決まったぞ! 今度は47センチの石鯛がまた宙に舞った。そして次に貝洲氏に一回り大きい53センチ。 この日はアタリが連発し、なんと4匹もイシダイが釣れたのだった。 このうちの1匹を民宿で「タタキ」にしてもらったが、最高の味であった。 さて、最終日は1人ずつ分かれて磯に上がることになった。私は昨日の大黒に、 貝洲氏は西郷湾口の黒島に渡る予定を立てたが、黒島は先客がいたため、貝洲氏は大久黒島に渡礁した。 私は大黒を目指すが、既に昨日の好釣果の情報が回ったようで、先客が3人も入っていたので断念、 やむなく布施大鼻の先端横に単独で渡礁するがウネリが高く、時折這い上がってくる大波にさらわれそうになり岩に しがみついた時に手が血だらけになってしまう。(怖かった) 生命に危険を感じ船長にSOS。ウネリが幾分ましな島の東側に避難することに。 貝洲氏のいる大久黒島に渡るつもりであったが氏によるとカンダイ連発でどうにもならないらしく磯替わりを希望される。 船長と貝洲氏で相談し、津の目島に行ってみようということになる。 底物で定評のある灘津の目を目指したのであるが残念ながらポイントは人で一杯だった。 どうしようかと思ったいたが、沖津の目の南側が空いている。もう時間がないので選択している暇はない。 貝洲氏いわく、好ポイントではないだろうが潮が南から当たっているのでマシだろうとのこと。ここに磯上がりすることにした。 案の定、底物釣りをした気配がない。ピトン穴を探すが1つ見つかっただけであった。 貝洲氏も「木下君、こういうところはカンダイのメーター級が居るかもしれへんで」と苦笑い。 実績場ではなさそうだがとりあえずピトンを打ち込み第一投。 カウンター24でストップし、仕掛けを引いた瞬間いきなりガッチリ根がかりし、瀬ズレがら先を飛ばしてしまう。 早々にツイていない。今日はいつもの如くボーズやな…これが俺の実力やわとあきらめモードで再度磯際に投入、 カウンタ24.8で仕掛けを落ち着かせる、足元から水深があるようで、道糸が竿先から直角に向いている。 風もうねりもなくここであと3時間のんびり過ごすか…と思っていたが、竿先がツンツンとエサトリのような小アタリを捕らえた。 あまり期待していなかったが、練習だと思い、竿を手持ちに替えスタンバイする。竿先に一応…神経を集中させる私。 10秒…20秒反応がなくなった?そして…30秒…ゴンゴン!あれっ?ちょっと石物っぽい力のあるアタリ。 サンバソウが突ついているのかな…40秒…50秒…グイーンと一気に走った!こちらは手持ちだ!瞬時に大合わせ! 重量感が乗り一気に竿が弓なりに!「貝洲さん乗ったよ!」と叫ぶと同時になんとドラグが滑ってラインが引き出される。 「これはきっとメーター級のカンダイやで!これで俺も日本記録保持者やあ!」 といいながら引きに耐えるがこの引きは尋常ではない、 なかなか底が切れないし、リールのハンドルも巻けない、しかし、竿が折れる気がしないのが何故か不思議… これがイシダイキングの実力なのか…リールのカウンタ数値は20、まだまだ全然巻けてないじゃないか、 そのうち魚が沖に向かって走り出した。 「これはイシダイやで」と貝洲氏。確かにカンダイなら最初だけで後は比較的おとなしい。 ひょっとしてこれは…針がカンヌキにがっちりかかっていることを祈りながらリールを巻く、 もうそろそろ水面だが魚は最後まであきらめない。抵抗を繰り返す。そのパワーまさに恐るべきだ。 マダイなどは比較にならず、伊豆諸島の70センチオーバーのタマンに匹敵するといってもいいだろうか。 幸い、この磯は直下からドン深のようなのでカケアガリに仕掛けを食われることはなさそうだ。 イシダイキングは胴からひん曲がったまま、またもや突っ込みが来るが数秒後、ついに鮮やかな七本縞の魚体が姿を現した。 「デカイで!抜き上げたらアカンで」と貝洲氏。目測で60センチは確実に超えている。 貝洲氏が瀬ズレワイヤーを掴んで磯にブリ上げてくれた。メジャーを当てると62センチ!2年ぶりの60センチオーバーだ。 分厚い魚体に大きな口、まさに風格を感じさせる1匹だ。ハリはガッチリとカンヌキにかかっていた。 手持ちで構えて攻めて釣った私にとって最高の1匹となったのはいうまでもない。 初日のアクシデントは丸ボーズではなく一発大物が釣れることを暗示していたのだった! その後、納竿間際にもまたもや石物のあたり、今度はピトンにかけたまま穂先が50センチ以上グイーンと入る、 すぐに手持ちに変えるが、ピトンから竿をはずすのに手間取り、イシダイは違和感を感じたようで餌を放してしまった。 貝洲氏の解説ではこういう場合は「竿がガブルまでは絶対に触らない。 ガブッタ後、必ずゆっくり一度穂先が戻るのでそこで手持ちに替えてテンションを少しかけグイーンと走った時に 合わせを入れる」とのこと。これがイシダイキングのような3本継の竿を使いこなすコツらしい。 「まあ、次回の課題やな」と貝洲氏。 「驕れるもの久しからず…」手持ちでデカバンを釣った驕りが…私の大失態であった。 投げ釣りもそうだけどイシダイ釣りも奥が深い。まだまだ修行が足りない… 日時 平成19年11月23日〜25日 場所 島根県隠岐(島後) メンバー レインボーキャスターズ 木下 チームダイワ石鯛 関西ブロックリーダー 貝洲氏(石鯛釣技会) 釣果 イシダイ48〜63.5センチ(拓寸)5匹 仕掛け(イシダイ63.5センチ) 竿 木村商 イシダイキング500M リール シマノ NEW海魂4000T 道糸 バリバス バーマックス20号 瀬ズレ ワイヤー36番1.8メートル ハリ オーナー手研石鯛16号 ハリス ワイヤー38番 オモリ 六角30号 (パッスルテンビンにスナップでオモリを接続したベタ底仕掛け) 餌 サザエ2個がけ 渡船 第十海友丸 永見船長090−4574−8210 *http://www.oki-toku.net/nagamitsuriguten/index.html * 七類からの直行チャーターは乗合。10人集まれば運行する。 渡船料金は人数が少ないと割増しになる場合があるので必ず事前に確認するようにすること。 * 西郷保安庁一文字などにも渡してくれる。 * まだ開業して2年で船長はポイントに精通していないので事前に下調べをしてから行くのが賢明。 * 船長は大物狙いの投げ釣りについては知らないのでこれから教えてあげる必要がある。 (みんなの利用次第で島後の未開ポイントの発掘ができまっせ!) * 西郷港前でながみ釣具店も経営。 * サザエは事前に頼んでおけば確保してくれる。 (キロ1050円前後が普通だが、品薄時は高騰するので要確認) 宿 喜兵衛(西郷) 08512−2−1831 (1泊2食7000円 料理が最高です。部屋もきれい) |
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| ついにメーターオーバー! ―釣り仲間だちの友情で手にしたマダイ日本新記録!― 平成18年11月5日、私の釣友である大阪釣友サーフ下浦輝明氏がマダイの100.8センチ(拓寸)を釣り上げ、全日本サーフ日本記録を見事更新されました。この度、全日本サーフ連盟にて無事正式承認となりましたので下浦氏の許可をいただき、百戦練磨上で当日の一部始終をレインボーキャスターズ木下がレポートいたします。 11月2日夜、私木下、高槻サーフ吉田氏・関西暁サーフ籾木氏、そして今回の主役となった大阪釣友サーフ下浦氏の4人で隠岐島後は西郷を目指した。 当初は常磐でヒラメ狙いの予定だったのだが、関東の釣友からの情報ではピークは過ぎたとの模様。また、真夜中から渡船乗り場で順番待ち、釣り場では1メートル間隔で竿が並ぶなど場所取りが過熱しているようで、のんびり釣りたい我々はそんな話を聞いて勝手知ったるホームグラウンドの隠岐に行き先を変更した。 そして当初ヒラメ狙いだったので隠岐でもマゴヒラを狙えるところ…ということで西郷湾を選定したのである。西郷ならマゴヒラにフラれてもエソにありつけるだろうとの皮算用もあった。 行き先が決まったら荷物の準備。通常のマダイ狙い(夜)のタックルの他に本命のマゴヒラ狙いのために餌用の小アジを釣るサビキセットや活かしバケツ、ブクブク、バッカン、そして予備餌の塩イワシ。もちろんタイムシ・マムシ・ユムシ・青イソメを大量に用意した。さらに私はイシダイも!とイシダイタックルと餌のバフンウニとサザエも調達。どんどん荷物が増えていくので吉田氏の新型ハイエースをフェリーに積み込むことにする。この車は後部の荷室スペースを完全フルフラットで二人が全身を伸ばして就寝できるスペースを確保したベッドと、ベッドの下部には4人分の遠征釣具の収納スペースの2段式に改造してあり、投げ釣りの重いたくさんの道具を満載して日本全国へ長距離遠征するためのスペシャルな仕様となっている。長時間ドライブに乗員が耐えられるよう足回りを乗り心地のよい乗用車用に交換したり、街灯のない離島での走行を想定してヘッドランプも照度UPしたHIDに変更、また、万一の事故に備えてブレーキ性能も強化するなど至れり尽くせりである。このスペシャルカーでも今回の4人分の道具は少しキツそうだ。 さて、余談が長くなったが隠岐汽船のフェリーで定刻どおり11時20分に西郷に到着。上陸後、ながみ釣具店でアミエビと氷を仕入れる。店の主人とは馴染みであり私のサザエも知人に頼んで用意していただいた。釣況を伺うが予想どおりマダイは湾内には入っていないようだ。大ダイが釣れるのは乗っ込み時期の5〜6月と承知済みなので落胆もしない。主人が手配してくれた渡船でいざ、一文字に渡る。 4人が思い思いに散らばり各自6〜8本ずつ竿を出す。皆、4〜5本は生餌の仕掛けで残りの竿をダメモトで居着きのマダイ狙いでユムシを付けて投入している。下浦氏は1投目から28p位のチャリコの3連発、このサイズは予想どおりの展開である。吉田氏はサビキでアジを順調に釣り上げせっせと背がけにして放り込んでいる。 突然、吉田氏が「タモ」の大声!上がって来たのはなんとヒラメ52p。 玉網を持って走り、無事タモ入れ成功…「あーよかった」ドーッと冷や汗をかく私…(「関西のつり」2月号の私の記事を読んでいただいた方はこの気持ちよーくわかっていただけると思います…) その後、なんのアタリもなく夜釣りに突入。籾木さんにアコウ33p、マダイ35pが2匹。私と下浦氏は保安庁名物の大アナゴの相手ばかり。あきらめが早い私は早々にテントを張って寝てしまった。 翌朝5時に渡船に迎えにきてもらい私一人、中村の磯へイシダイ狙いに行くことにする。車を運転して約20分で中村に到着。油タンク前に迎えに来てくれた牧田船長の小船に乗り込みいざ、沖ノ島・白島方面に向かう。 向かう先は船長マル秘のいつもの通称「ボーズなしのポイント」だ。 実は今日で4週連続で隠岐島に来ている私。前の週にも中村に来て沖ノ島で2匹、50センチ前後のイシダイを釣り上げている。 約20分で釣り場に到着。さっそく用意にとりかかる。磯には前に吉田氏から借りたハンマードリルでピトン穴を開けてあるのでセットも楽チンなのだ。 さあ、お気に入りの「鬼丸」を手にサザエを餌に勝負だ。 沖向きに竿の弾力を生かして投入。我流ながらずいぶん上手になったものだ。着底後、仕掛け引いていつもアタリが出るカウンタ33前後で落ち着かせる。必ずアタリのあるポイントなのだがひとつだけ難点がある。潮が右から左へ流れないと絶対にアタリが出ないのだ。最悪なことに今日は潮の流れが逆。左から右に流れている。予想通りエサトリのアタリしか出ない。こうなったら潮が反対に流れるのを待つしかない。ウダウダと磯を散歩したり、遠投して投げ釣り(夜のマダイ狙い)ができるかを調べたりして時間を潰す。そしてようやく午後0時半を回った頃から待望の!右から左へ潮が流れ出したのだ。みるみるうちに激流と化していく。イシダイの釣れる潮だ!と思っているうちにやっぱりきた。コンコンと1センチほど入った後、さらに50センチ引き込まれ。少し止まったか…と思うと海面めがけて一気に鬼丸が胴から入ったのだ。私はメーカーの回し者じゃないががこの竿に替えてからホントにイシダイがよく釣れるようになった。イシダイが餌に抵抗を感じて放なす事が激減したと思う。 竿が満月にしなり心地よい感触を手にしながら水面に七本縞が見えた時の感動は何ともいえないものがある。ゴボウ抜きで磯にブリ上げ、バタバタするイシダイにメジャーを当てて47センチを確認。少し小ぶりであるが満足した私。その後にも35センチのサンバソウを追加して夕方4時に納竿し西郷に戻り一文字のテントでぐっすり眠る。 翌日は一文字でマゴヒラをやるつもりであったが、あのイシダイのアタリが忘れられず、朝、再度中村へ向かってしまった私であるが、この判断は痛恨の誤りであった。なぜなら今回の日本記録のマダイを釣り上げるシーンを見ることができなかったからだ。 何度も吉田氏から携帯が鳴ったのだが電波が遠くで声が聞き取れない。どうしたんだ…忘れ物をしたのか…それとも私のテントが風で吹き飛ばされて海に落ちたのか…そんなことを考えるが迎えの渡船が来るまでどうにもならない。 しかし、これは「しもちゃん(下浦氏)が日本記録のマダイを釣ったぞ!」という電話であることは知るよしもなかった。 その時…は突然訪れたそうだ。 以下は下浦氏の手記である。 午前2時に起きだしみんなの寝ている間に一発と買いすぎたマムシ・ユムシに青イソメを山ほどドッキングさせ打ち返すがピクリともしません。夜も明けてしまい今日は誰も居なくなった隣の波止を恨めしく見ている時、私の竿がドラグの悲鳴とともに突然突っ込みました。合わした瞬間“デッカイ!!”今までに感じた事のない手ごたえ、マダイ特有のゴンゴンとした引きが伝わってきます。道糸は遠投用に替えたPE-3号の竿です“ヤバイ”と思いながらも今夏、コロダイ狙いで慎重に行き過ぎてテトラに走られた事が頭を過ぎります。切れたらしゃあないと強引に巻きますが、なかなか寄って来ません。途中、吉田さんの「エイと違うやろな」の声に体中の血が凍る思いをして「なんとか良い魚でありますように」と祈りながら巻きやっと浮いてきました。超特大のマダイです。籾木さんの構える60pのタマ網でも四苦八苦、なんとか波止の上に上げて頂きました。 メジャーを当てて貰うと1m近くある、「日本記録やで」と吉田さん。みなさんの握手攻めにも、私自身は放心状態で“ヤッター”とか“嬉しい”という感情すら湧いて来ません。ただ呆然と大きなマダイを見つめているだけです。そんな私を横目に吉田さんは、大物事務局・日本記録認定委員の池田さんに現認のお願い、他のメンバーに連絡と手際よくやって下さいました。」(下浦) 迎えの渡船に乗り、携帯の電波が3本立ったところで吉田氏に電話し、メーターのマダイが釣れたことを聞かされ大急ぎでアクセルを踏み込み西郷へ戻ったのだが、現物を見てびっくり仰天してしまった。過去に自分で釣った2匹の80センチオーバーよりも、7月に板東氏が釣った94センチよりもさらに一回り、いや二回りもデカイのだ。こんなデカイ奴がこの湾を泳いでいたのだ。おそらく居着きのものと思われるがいったい何年、この海で生きてきたのであろうか?年輪を感じさせる堂々とした風格の魚体であった。 さて、帰りのフェリーに乗り込み、一路大阪へ。行き先は大阪協会の日本記録認定委員であるなにわキャスターズ池田会長宅である。午後10時過ぎに池田氏宅に到着。全日本サーフ連盟指定のメジャーで厳格な検寸が行われる。固唾を呑んで見守る我々。何度も何度もメジャーを当ててサイズを確認する池田氏。数秒の沈黙の後、「96センチやね」との言葉が! 日本記録認定委員の現認は96センチ!全日本サーフ連盟の規定では魚拓寸は認定された実寸の5%までの誤差が認められる。96センチ×1.05=最高100.8センチまでの拓寸認定の可能性があるわけだ。これまでのマダイの日本記録は98.5センチ。この記録を更新するからにはやはりメーター超えでの認定をなんとしても受けたい!皆の思いは一致している。車は東大阪の玉川フィッシングセンターに向かった。我々の釣りをいつもサポートしてくれる馴染みの釣具店である。閉店後であるが社長・店長に無理を言って開けてもらい、魚拓取りをさせていただくことに。(残念ながらこの玉川フィッシングセンターは12月末を持って閉店となりました。) 店には既に船場サーフの福井氏・小阪氏の姿が。魚拓取りの助っ人として駆けつけてくれたのだ。魚が大きすぎて連盟指定用紙の「大」でも収まらないので下浦氏のクラブメイトの竹内氏が障子紙を用意してくれている。 さあ、皆が総出での魚拓取りが始まった。障子紙のため裁断から霧吹きをして水で濡らし縮めてからの墨塗りである。小阪氏と下浦氏が紙を固定して腹側を籾木氏、背側を福井氏が押さえていくのだが連盟の専用紙でないため魚体への吸い付き具合が悪く閉口する。紙が墨を吸いすぎ乾くため「これじゃ認定されんぞ」と何度も何度も取り直し。せっかくの日本記録魚「何とか綺麗に取ってやろう」と朝から仕事であるにもかかわらず誰も妥協しない。ようやく完成した頃には午前4時を廻っていた。皆で力を合わせて取ったこの魚拓は連盟の審議を経て、12月5日日本記録の現認をしてくれた池田氏から日本記録認定“拓寸100.8p”とお祝いの連絡を受けたそうである。 11月5日は下浦氏にとって生涯忘れられない日になるに違いない。 日時 平成18年11月3日〜5日 メンバー レインボー 木下 高槻サーフ 吉田氏 関西暁サーフ 籾木氏 大阪釣友サーフ 下浦氏 釣り場 隠岐西郷保安庁一文字 釣果 マダイ 100.8センチ(全日本サーフ日本新記録) 28〜35センチ 5匹 ヒラメ 52センチ イシダイ 47・35センチ(中村) アコウ 33センチ 仕掛け(マダイ100.8センチ) 竿 スピンパワーBX リール ダイワ トーナメント磯S−T6000+パワーハンドル 道糸 PE3号 ハリス 8号 オモリ 30号 針 サーフマダイL 餌 ユムシ |
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