La Chiesa
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監督 : Michele Soavi |
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西暦1150年、中世の北イタリア。老修道僧が騎士団をとある洞窟に案内する。そこは疫病にかかり、足の裏に印した十字架で神を踏みにじる邪教の信者が身を寄せあっていた。悪魔に身も心も捧げた者達に騎士団が襲いかかった。殺戮の限りが尽くされる。死体は大きな穴に葬られ十字架が置かれた。修道僧は叫ぶ、この地に聖堂を建て永久に悪魔を地の底に封し込めよ、と。虐殺の全てを見た少女が逃げる。しかし彼女の前にも騎士が立ちはだかった。 現代。大聖堂は変わらずその地にあった。中は悪魔を描いた絵画にあふれ、芸術的にも高い評価を得ていた。見るものはそれを象徴的表現とみなしていたが、絵画は呪われた事実を写しとったものだった。この大聖堂の蔵書目録を作るために新任の司書エバンがやってきた。初出勤の日がら遅刻した彼は老司教ににらまれながら、2人の女性と知り合う。1人は絵画を中心に聖堂の修復を行うリサ、もう1人は図書室で遊び、幻の馬の足音を聴く不思議な少女・教会番人の娘ロッテだつた。 翌日。リサはエパンに前夜のできごとを伝えるが、彼はキスしたいといってリサに襲いががった。彼女は部屋を逃け出した。ロッテが図書室にやってくる。エパンは、”6”(悪魔の数字)をくり返しタイプするばかり。お腹が痛くて学校を休んだというロッテに突然エパンは難クセをつけ始める。自室に逃げ帰つたロッテの前に父親が立ちはだかる。彼は娘をウソつきと罵倒し、娘の口を石ケンで洗い始めた。ロッテが見上げた鏡に映るのは怪物に変つた父の姿。ロッテは悲鳴を上げた。 |
監督がランベルト・バーバがらミケーレ・ソアビにかわり、作品のトーンが変化した。バーバ監督作が怪物オン・パレードのロ一ラー・コースタ一映画だったのに対し、ソアビは幻想と現実の境をあいまいにし、人間の根源的な恐怖心に訴えかけるムーディーな作りを行っている。閉鎖された空間を悪魔が恐怖に陥れるという枠組は残しながらアルジェントとソアビの師弟コンビは新たな恐怖映画の世界を切り拓いた。監督・共同脚本のソアビは「シャドー」以降アルジェントのもとで助監督をつとめ、アルジェントから、一番弟子といわれる逸材。事実、ソアビの長編劇映画第1作「アクエリアス」はアボリアッツ国際ファンタスティック映画祭最優秀恐怖映画賞を受賞した。前2作目よりムーディーとはいえ、アルジェント一派の作品らしくSFXを効果的に使っている。とくに「デモンズ」や「オベラ座/血の喝釆」でおなじみの効果マン、セルジオ・スティバレッテイがクリエイトした悪魔(ファンタスティック・クリーチヤーとクレジットされている)がみもの。アルジェントとともに原案・脚本を担当したフランコ・フェリーニは「フェノミナ」以降のアルジェントの協力者。音楽のキース・エマーソン(元、エマーソン・レイク&パーマー)は「インフェルノ」でアルジェントと仕事をしたことがあるし、”ザ・ゴプリン”は「サスペリア2」以降のアルジェント映画の常連(なお、「コヤニスカッテイ」で知られるフイリップ・グラスの曲が印象的に使われている)。撮影は「アクエリアス」のレナート・タフリが担当した。出演は新任司書エバンに「最後の誘惑」「フランチェスコ」のトーマス・アラナ、ガス神父に「戦争の犬たち」「ハイランダー」のヒュウ・クアルシー、リサに「アクエリアス」のパーパラ・クピステイ、不思議な少女ロッテにダリオ・アルジェントの娘アーシアが扮するほか、「オペラ座/血の喝釆」のアントネッラ・ビターレ、「薔薇の名前」のラルス・ボティン・ヨルゲンセンが出演している。 |
ミケーレ・ソアビはダリオ・アルジェントの助監督だけでなく、ジョー・ダマートの助監督も経験している。ソアビはダマートについて以下のように語る。 ソアビがフルチと初めて会ったのは助監督としてではなく、役者としてだった。フルチはアメリカ映画に似せた映画を撮ろうとしていたため、ちょうど髪や目などの外見がアメリカ人のようなソアビがキャスティングされたのだった。5日間の仕事の予定だったが撮影が遅れたため、ソアビは何もする事がないまま3週間ほどロケ地に滞在しなければならなかった。そこでソアビは制作主任とフルチにスタッフとやりたいと申し出た。フルチには役者がそんなことを言い出すとは意外に思えたらしい。フルチは快諾し、ソアビは1日30ドルで制作助手をすることになった。 |
各映画ガイドにおける作品紹介を比較する。短いコメント文でも、筆者の見解が分かれるのは興味深い。 ホラーの逆襲の紹介文 アルジエントは製作と脚本のみ。監督はミケーレ・ソアビ。教会地下の魔の封印が解かれ、悪魔が復活する。アルジェント&ソアビは”宗教シリーズ”として邪教の宗派をテーマにした『デモンズ4』(90年〕で再ぴコンビを組んでいる。 ホラー&ファンタスティック映画(スクリーン特編版)の紹介文 原題、英題ともデモンズの言葉をはずし、監督もバーヴァからアルジェントの一番弟子ソアヴィに代えた点からも「3」とはいいにくい作品。とはいえ、コンセプトは閉鎖空間を作り、そこにデーモンたちが襲いかかるわけでこの点は「デモンズ」同様。中世に悪魔崇拝者を虐殺、その上に大聖堂が建てられた。それから850年、功名心にもえた図書館司書によって悪魔の封印が破られ、聖堂は恐怖の空間と化す。「デモンズ」1、2と異なるのは因縁をしっかり描き、甦った悪魔を現実とも幻想ともあいまいにしていること。際物的描写もあるものの、SFXの暴走にたよることなくソアヴィは自身が好む古典的恐怖映画のムーディな作りを堅持する。物語はやや混乱するが、ソアヴィの志を見たい作品。「2」にも出演したアルジェントの娘アーシアが不思議な雰囲気を出している。注目したい。 |
